Notion は仕事を“整理する力”をくれるツール デザイナー視点の最短活用ガイド
企画、構成、打ち合わせメモ、スケジュール、タスク、外注管理。
デザイナーの仕事は「作る時間」よりも「管理に奪われる時間」が圧倒的に多い。
さらにプロジェクトが増えるほど情報が散在し、同じ資料を探す時間や、
何度も説明をし直すコミュニケーションのロスも発生する。
Notion は、この“見えないロス”を根こそぎ削るためのツールです。
単なるメモアプリではなく、デザイナーの思考と作業を一つにまとめる“仕事の土台”として機能します。
本記事では、デザイン・クリエイティブ業務を行う立場から、Notion の実務的な使い方を深掘りしていきます。
Notion がもたらす“思考と作業の一元化”
Notion の最大の価値は、情報の種類が違っても同じ空間に置けることです。
文章、画像、URL、データベース、タスク、動画、埋め込み…
これらがフォルダ分けをせずとも自然に並べられるため、脳の中でバラバラだった情報がひとつに統合されていく。
デザイナーにとっては、
「アイデア → ラフ → 構成案 → 設計 → 実制作 → 管理」
という流れがひとつのページで連続していくイメージです。
従来のようにGoogleドキュメント、メール、スプレッドシート、LINE、メモ帳など、
複数ツールを行き来する必要がなくなります。
情報の“迷子”が消えることの圧倒的なメリット
デザイナーやディレクターの現場で最も生産性を奪うのが、
「どこに書いたっけ?」という瞬間です。
ファイル名
フォルダ
チャット
Googleドキュメント
メール
スマホのメモ
バラバラな場所から情報を寄せ集めるだけで、毎日15〜30分は消えていきます。
Notion はこのロスを根本的に解決します。
全情報の“住所”が Notion に統一されるため、思考の入り口が常に一つになる。
これこそが、Notion の真価です。
デザイナーが Notion を使うべき理由
1. 情報の迷子がゼロになり、判断のスピードが上がる
2. 資料づくりが劇的に早くなる
3. アイデアのストックが自然に蓄積される
4. 外注管理・進行管理が同じ画面で完結する
5. データベースで「進行中」「優先度」「納期」がひと目で分かる
6. クライアント共有もURLひとつで伝えられる
特に外注との連携があるデザイナーにとって、
「どの情報が最新か」が一瞬で分かることは大きな武器になります。
最初の1ページだけで仕事の形が変わる
Notion を始めるとき、複雑な構成を作ろうとすると必ず挫折します。
最初に用意すべきは、たった1つの“仕事の母艦ページ”だけです。
そのページに置くのは次の3つ。
・今日やること
・進行中の案件
・資料置き場
これだけで十分です。
特に「進行中の案件」をデータベース化すると、
ステータス(進行中・保留・完了)
担当者
納期
優先度
にチェックを付けるだけで、プロジェクト管理ツールとして十分機能します。
最初はこの1ページだけを開いて仕事をする。
それだけで迷いが減り、タスク移動が一瞬で終わります。
Notion AI の実力は“初稿生成”にある
Notion AI の強さは、文章の要約や整理だけではありません。
最大の武器は「初稿づくり」です。
デザイナーが時間を取られがちな、
企画書
構成案
説明テキスト
ページ設計
要件取りまとめ
これらの“最初の一枚”を10〜20秒で形にしてくれます。
判断は人間が行いますが、ゼロから書き出すストレスが完全に消えます。
また、打ち合わせメモをAIに渡すと、
要点整理
タスク抽出
次やることの列挙
関係者ごとのアクション整理
まで瞬時に行ってくれるため、実務スピードが大幅に上がります。
デザイン現場での具体的な活用例
実際の制作現場では、次のような流れで使われます。
1. 打ち合わせ内容をNotionに貼る
2. AIに「要点を整理して」と指示
3. 10秒で議事録が完成
4. そのまま構成案の初稿生成
5. 外注やチームにURL共有して認識を統一
6. 納品後、ページをそのままプロジェクト記録として保存
この流れを一度経験すると、
「Notion なしでプロジェクトを回すのは不可能」
というレベルで業務負荷が変わります。
クライアント共有が劇的に楽になる
Notion の強みが最も発揮されるのは“共有の速さ”です。
メールでファイルを添付する必要がなくなり、
ページURLを1つ送るだけで、最新情報がそのまま相手に共有されます。
Notion 側で情報を更新すると、クライアント側も自動的に最新状態を見ることができる。
「資料の最新版ってどれですか?」というやり取りが完全に消えます。
非エンジニアでも運用できる“使いやすさ”
Notion はデータベース構造を持ちながら、エクセルほど複雑ではありません。
難しい関数も不要で、クリックとドラッグだけで直感的に使えます。
WordPress や Figma が使えるデザイナーなら、ほぼノー学習で使いこなせるレベルです。
長期的に見ると“仕事の資産”が蓄積される
Notion の最大の価値は、日々の情報がそのまま“資産”になる点です。
プロジェクトが終わっても、ページがそのまま残り、
過去のアイデア
構成案
資料
フィードバック
ディレクションの履歴
外注管理情報
これらが完全にストックされていきます。
デザイナーにとってこれは「自分の脳の拡張」に等しく、
振り返り、再利用、改善が圧倒的にやりやすくなるのです。
Notion は単なるメモや管理ツールではありません。
デザイナーの思考、タスク、プロジェクト、外注、資料をすべて一つにまとめ、
“仕事のOS”として機能します。
最初の1ページだけ作れば、仕事の流れが変わります。
慣れてきたらAIを組み合わせ、初稿づくりや議事録整理を一瞬で終わらせる。
そして情報が資産として蓄積されていくことで、
あなたの制作現場は確実に軽く、速く、強くなっていきます。